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  • 松本珠恵

「6次産業化その2」


こんにちは、経営戦略・調査分析コンサルタント 中小企業診断士・6次産業化プランナーの松本珠恵です。 私は6次産業化プランナーとして、農林漁業者のみなさまの6次産業化をお手伝いしています。 前回は6次産業化について ①「計画ステージ」からいよいよ「実現ステージ」を迎える6次産業化 ②これから注目したいキーワード、「農観連携」 といった「トレンド情報」をお伝えしました。 今回は6次産業化の「1分セミナー」として、 ・課題のある「合理化と規模拡大」と、すすむ「高付加価値化」 ・求められる事業領域の明確化と、マーケットインの視点とはなにか ・ブランド力ある北海道農産物をわざわざ加工する必要はあるのか? をテーマに取り上げます。 ■1分セミナー それでは1分セミナーに入りたいと思います。 今回は、北海道の農林漁農業者の方々が進もうとしている事業領域の方向と、6次産業化の関係についてお話いたします。 農林漁業者のみなさまが進んでいこうとする事業領域には二つの方向性があります。 一つは「合理化と規模拡大」、もう一つは「高付加価値化」です。 ①課題のある「合理化と規模拡大」 「合理化と規模拡大」へと進む場合には、おもに顧客に低コストを提供することでの、利益の増大が期待されます。 北海道の場合は、酪農の通年雇用が容易なので雇用を伴う大規模化が進みやすいですし、農地確保や設備投資を認定農業者によるスーパーL資金活用が下支えした、といった理由から他府県に比べて規模拡大が顕著となっているのが現状です。 更に農家人口が減少する中で耕地を維持するためにも、今後もっと大規模化が必要といわれることもあります。 しかし一方で、「合理化と規模拡大」には課題があります。 それは規模が大きくなるにつれて、 1)経営規模と利益のバランスを最適化しなければ、生産性低下による経営への影響が大きくなってしまうこと 2)通年雇用が馴染まない畑作労働需要といった、季節変動への柔軟対応が、より重要になってくること、 3)規模拡大に伴う資金需要増加への対応が必要であること、といった課題が浮かんでくるのです。 ②すすむ「高付加価値化」 こうした「合理化と規模拡大」に伴って生じる課題を回避しながら 収益向上が期待できるもう一つの方向性として、「高付加価値化」があるといえます。 そしてこの「高付加価値化」こそが、6次産業化の考え方の基本でもあります。 北海道では、古くから農産物に付加価値を付けて販売する取組もあり、ここ20 年ほどの間に、個人農家や、農家グループで小規模な加工所を作って食品の加工に取り組む事例や、直売所を作って野菜や漬物、おにぎりやソフトクリームを販売する事例が増えています。 このように北海道では、「規模拡大」ばかりではなく、古くから地道に「高付加価値化」、すなわち6次産業化が行われてきており、それは今後も進むと考えられているのです。 ③求められる事業領域の明確化と、マーケットインの視点 そして、私がここで特にお伝えしたいことは、「規模拡大」であれ、「高付加価値化」であれ、農業経営においても、「誰に、何を、どのよう」にという事業領域を明確にすることや、対象顧客のためには生産農作物の変更も検討するくらいの意識で、マーケットインの視点が必要なことに留意しなければならないということなのです。 農林漁業者は、これまでの経緯や資源不足などから、どうしても生産重視のプロダクトアウトの経営になりがちなのです。 つまり、農林水産物や加工品生産には集中するけれど、誰にどうやって販売するかには関心がなかったり、あとは市場ルート任せ、人任せになってしまう場合が起こりうるのです。 中小規模の農林漁業者の場合、必ずしも顧客ニーズに合った生産ができるわけではないですし、市場にない商品やサービスは、作り手が提案する必要があるわけですから、プロダクトアウトが古い概念として切り捨てられてしまうわけではありません。 しかしやはり6次産業化では、プロダクトアウトとマーケットインをすり合わせて商品開発、生産することが求められるのです。 ④ブランド力ある北海道農産物をわざわざ加工する必要はあるのか? ところで、北海道では農産物そのものにブランド力があり、加工する必要がないという指摘があります。 また付加価値を高める取り組みはあるものの、現実には簡単な加工にすら取組めていない農業生産法人も多く、販売までとても手がまわらないという現状もあります。 これは、北海道農業の出荷先は農協系統に一元化されてきた傾向が強く、農業者らとしても、自ら加工や販売まで手掛けるといった意識を持ちにくかったことも一因と考えられています。 6次産業化の取り組みの中では、マーケットインを意識し、バリューチェーン全体で利益を上げていくことが求められるのです。 6次産業化「トレンド情報」「1分セミナー」はいかがでしたでしょうか。 次回も6次産業化の新情報、基本情報をお伝えしたいと思います。 次回のメッセンジャーは、戦略法務・コミュニケーションコンサルタント弁護士の佐藤眞紀世です。


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