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佐藤眞紀世

ツルマル復活!


先日,経営再建中の日本航空の尾翼にツルマル(鶴丸)が復活するというニュースが流れた。

何を隠そう,この職業に就く前は,私は日本航空の社員だった。

私が会社に在籍していたころには,尾翼にはツルマルが健在だったと記憶している。

海外にフライトに行くと,大抵1~2日間は現地に滞在していたが,復路便に乗務するために海外の空港にと到着したとき,駐機場にあの赤いツルマルが見えると,「ああ,これで日本に帰ることができる。」と不思議と安堵感を感じた。たった1~2日間の滞在でも,である。

最近,エジプトの内紛でエジプト方面に行かれていた旅行者が,エジプトで何日も足止めをされているという報道があったとき,「JALが日本人救出のために飛行機を飛ばせばいいのに。」と心から思った。日本の飛行機を目にし,日本行きの飛行機に搭乗することができれば,「これで日本に帰ることができる。」と旅行者はどんなに安堵したことだろう。税金投入で批難を受けている日本航空だって,株が少しは上がったかも知れない。

まだ日本航空に勤務している元同僚に提案したところ,「国からの許可も難しいし,そういうお金もない。」と予想どおりの回答だった。もちろん,元同僚は一社員であって経営陣ではない。

しかし,日本航空のような会社の再建のためには,頭で考えるのではなく,まずはアイディアで動くことも経営転換や体質改善を図る重要な契機になると思う。

私が日常的に受ける法律相談者の中にも,ああすればいいのでは,こうすればいいのではと,ない知恵を絞って様々な助言や提案をしても,「でも,それは難しい。」「○○だからできない。」と否定ばかりして,前向きに検討しようとしない人は決して少なくない。残念ながら,こういう人は,周囲から,何を言っても無駄だから,とせっかく助言を受ける機会を失っているのではないだろうか。

先日,ある方に法律的な助言をする機会があったが,その方は,どんな助言に対しても,「なるほど。」「そういう方法もあるのですね。」などと肯定的な対応をされていた。その方は,今,アイディア勝負で右肩上がりの会社経営者であった。きっと,部下などから提案される新規アイディアも頭ごなしに否定せず,肯定的に捉え,経営に活かされているのであろうと想像した。右肩上がりの会社経営の秘訣を垣間見たような気がした一幕だった。


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